エイショウ光学株式会社

新着情報NEWS

目の病気

目の病気

角膜は厚さ約0.5 mmの透明な組織で、俗に「黒目」と呼ばれています。その角膜に病原性を持った微生物が付着し繁殖した状態を角膜感染症と呼びます。通常、角膜の表面は角膜上皮という組織で覆われており、簡単には微生物が進入できないような構造になっています。しかし、何らかの原因で角膜上皮に傷ができてしまうと微生物が付着し繁殖しやすくなります。角膜感染症を起こす主な微生物として、細菌・真菌(病原性を有するカビ)・アカントアメーバ・ヘルペスウイルスなどがあります。

細菌性角膜炎
細菌が原因で起こる角膜感染症です。最近では正しくコンタクトレンズを使用しない人の間で増えています。コンタクトレンズを正しく取り扱っていない場合に洗面所などにいる菌が目に持ち込まれて感染することも多くなっており注意が必要です。強い目の痛みと大量の目やにを自覚します。角膜の一部が白く濁り、白目が強く充血します。治療は抗菌薬を頻回に点眼し、重症な場合は抗菌薬の内服や点滴も併用します。細菌の種類によっては病状の進行が非常に早いものもあり、放置した場合、角膜が融けて穿孔(孔が開くこと)することさえあります。治療によって細菌が除去できたとしても、角膜に濁りを残して視力が低下したままになってしまうこともあります。
真菌性角膜炎
真菌とは病原性カビの一種であり、これによる角膜感染症を真菌性角膜炎と呼びます。健康な角膜には真菌が進入するということはほとんどなく、この病気自体まれなものです。しかしもともと目に持病があり、抵抗力が落ちているような人では発症しやすいといわれています。また植物の枝で目を突いてしまったとか、土埃のついた異物が飛入したといった原因で起こることもあります。症状は、細菌性角膜炎と類似しています。治療は、カビに効果のある抗真菌薬の点眼や内服、場合によっては点滴を行いますが、治癒するまで長期間要することもあります。
アカントアメーバ角膜炎
アカントアメーバと呼ばれる微生物が原因で起こる角膜感染症で、最近数年間増加しています。アカントアメーバは川や沼、土壌や公園の砂などに広く存在しています。洗面所など、水周りにもいることが多いようです。細菌性角膜炎と似た症状ですが、人によっては特に強い痛みを感じることもあります。アカントアメーバ角膜炎を発症した人のほとんどはソフトコンタクトレンズ使用者です。毎日使い捨てにしなければならないレンズを再度装用してしまったり、再装用可能なレンズでもこすり洗いやすすぎなど、決められた取り扱いができていない場合がほとんどです。アカントアメーバの特効薬はありません。すこしでも効果のある抗真菌薬や消毒薬を点眼する、角膜の表面を削るなど、いろいろな治療法を併用しますが、きわめて治りにくいのが特徴です。
ヘルペス性角膜炎
ヘルペスウイルスと呼ばれるウイルスが原因で起こる角膜感染症です。ヘルペスウイルスには単純ヘルペスと帯状ヘルペスとがありますが、どちらのウイルスも角膜炎を起こします。治療は、抗ウイルス薬の眼軟膏を使用し、重症例には内服や点滴を行うこともあります。また、いったん完治しても体調が不良になったときなどに再発することがあります。再発を繰り返すと、角膜に濁りを生じて視力障害を残したり、角膜が薄くなって穿孔したりすることもあります。
おわりに
角膜感染症は、重症例では角膜穿孔を起こすなど、失明する可能性のあるものです。また治癒しても角膜に強い濁りが残り、角膜移植が必要となることもあります。このように、眼病の中でも比較的緊急性の高い病気です。強い充血や目の痛み、大量の目やになどの症状が出現し、角膜感染症が疑わしい場合には早めに眼科を受診することが大切です。コンタクトレンズ装用者では正しい扱い方を守ること、異物が目に入りやすい作業をする場合に保護用眼鏡をかけるなど、日頃の予防が大切です。

目の仕組み

目の仕組み

瞳の仕組み眼球は奥行き約24ミリメートル、重量約7グラムの視覚情報をとらえ、脳に伝える器官です。眼球と視神経、まぶたや涙腺のような眼球付属器から成り立っており、眼球は「眼窩(がんか)」という骨のくぼみの中におさまっています。

角膜
眼を構成する層状の組織であり透明な部分。光のとり入れ口になっていて、表面はいつも涙液でおおわれています。
結膜
角膜の周囲にある白目の部分で、眼球の表面と上下まぶたの裏面とを連結させています。結膜には血管があり、色素が少ないため透けて見えます。
水晶体(レンズ)
眼の中にある組織。光の屈折を調節して、網膜上に焦点を合わせ、映像を結ばせます。加齢とともに硬くなります。
虹彩(絞り)
角膜を通して見える茶褐色の薄い膜です。虹彩の中央にある穴(瞳孔)の大きさを変える役割があります。
瞳孔(絞り)
明るさの変化に応じて目に入る光の量を調節します。瞳孔はほぼ正円形をしていて、明るい所では小さくなり、暗い所では大きく開きます。
強膜
厚さ約1ミリの膜で、眼球の構造を支える一番外側の丈夫な組織です。
網膜(フィルム)
眼の一番内側の膜であり、光を感じる細胞(視細胞)と、視細胞の働きを集約したり支持したりする細胞が集まっている感覚網膜、そしてフィルターの役割をする網膜色素上皮とで構成されます。視細胞の数は約1億2千万です。
脈絡膜
網膜に栄養を補給する血管に富んだ膜であり、黒褐色をしている。光を遮断し眼を暗室のようにします。
視神経
網膜に映し出された視覚情報を脳に伝える神経です。視神経は約100万本あります。視細胞の数は約1億3千万とはるかに多いので、視細胞の働きをある程度まとめる形でつながっています。網膜表面で、視神経が眼から出るところは、光受容体が無いため盲点となる。
中心窩
網膜の中央にある黄斑のさらに中心で、解像力がいちばん優れています。読書、運転、テレビなど視覚的詳細を扱うすべての活動に必要な重要な領域である。
視神経乳頭
視神経が強膜の後ろの穴を通って外へ出ている部分であり、直径1.5㎜のやや白っぽい円板状になっている。視神経乳頭には視細胞がなく、光を感じることができないため、「盲点」と呼ばれています。
毛様体
目には、縦方向、放射方向、円形の3組の毛様体筋がある。眼球内をみたす房水を作り出したり、レンズの調節を行ったりする部分です。
隅角
角膜の後面と虹彩のいちばん端の部分で、房水が眼球内から外に流れ出すための排出路があり、眼圧を調整しています。
チン小帯
水晶体と毛様体を結び、水晶体を支え、毛様体の調節力を水晶体に伝える部分です。